田舎に移住して「やりたいことなどなくていい」と気づいた話

「やりたいことをやる人生」は理想なのだろうか。

私のような40代で会社員をしているような人はみんな「やりたいことがある」ものなのだろうか。

大きな夢や理想に向かって努力をしている人は、魅力的に見える。

だけど、私にはやりたいことがない。

そんな自分を、やりたいことがある人と比較して卑下して悩むこともあった。

だけど、今はそんな悩みを持つこともなくなっている。

そのきっかけは、数年前に都会から地方に移住をしたことがきっかけだった。

今回は、移住をきっかけに「やりたいことがなくてもいい」と思えた、という話。

やりたいことがなかった40年間

私には、昔からやりたいことがなかった。

小学生の頃、「将来の夢」をテーマに作文を書かされるたびに書くことがなくて悩んだ。

中学生の頃、「なぜ働くのか」をテーマに教室で発表した際、何も思いつかなくて「お金を稼ぐため」と発表したら先生に怒られた(「やりがい」という答えを期待していたのだろう)。

高校の頃、学校で配布された進路適性検査の結果だけで進学先の学部学科を決めた。

大学生の頃、就職したい業界や会社がなく、友人が次々と進路を決めていく中、途方に暮れていた。

何となく就職はしたものの、20代、30代の頃は「やりたいことがない」ことを無理に探そうとして見つからず、結果として、やりたくないことやどうでも良かったことに多くの時間を費やしてきた。

ただ、40代になった今、「やりたいことがない」という状態をようやく肯定的に捉えられるようになってきた。

なぜなら、やりたいことがなければ、「無理にやりたいことを見つける人生」ではなく「やりたくないことをやらずに済む人生」にシフトすればいいと気づいたから。

そのことに気づいたきっかけは、仕事に疲れて都会から地方に移住したことだった。

通勤・仕事のストレスから逃れるために田舎へ移住した

私は、新卒から40代にさしかかる頃まで20年近く、首都圏で働き生活をしていて、満員電車で会社に通勤し、高層ビルでエレベーターに押し込まれ、ようやくオフィスに辿り着く生活を続けていた。

若い頃は仕事が順調だったこともあり、そういう通勤スタイルが当然のこととして捉えていて、特にストレスもなかった。

ただ、30代中盤ごろから仕事が行き詰まり始めると、会社へ通勤することも苦痛になっていった。

特にやりたいことではなかった仕事や通勤が、明確に「やりたくないこと」に変わっていった。

日常の時間の多くを費やす「仕事」や「通勤」がやりたくないことに変わり、定年までこのライフスタイルをあと数十年間続けることに、現実味が感じられなくなった。

一方、会社労働を一切辞めて過ごしていけるだけの資産もメンタルも、当時の自分には備わっていなかった。

そこで「とりあえず転職して田舎に移住する」という選択肢が浮かんだ。

とにかく当時は仕事も嫌だったし、満員電車など都会での通勤作業に時間を費やすことが嫌で、田舎で働くのであれば通勤だけでも楽になるのでは、と。

結果、田舎に移住した現在、相変わらず会社で働いてはいるけれど、通勤ストレスは格段に減った。

もちろん、移住を決めた当時はそこまで計算して動いてはいなかった。

仕事のストレスに押しつぶされそうな状況が辛い中で、何となく田舎に行けばのんびり過ごせるんじゃないか、くらいの感覚で闇雲に転職しただけだった。

だけど、振り返ると、都会から田舎に移住するという自分の選択は、「やりたいことがない40代会社員が、やりたくないことをやらない選択をして生き抜く」という生存戦略を取った、とまとめることができる。

「やりたくないことをやらない」と決めるから、自分がすべきことが見えてくる

「やりたくないことをやらない選択」は、次の2ステップで進めていく。

・今現在、自分が日常の中でどういう選択をしているのか(何にどれだけの時間を使っているのか)を把握する

・把握した時間の使い方のうち、やりたくないものはどれかを明確にする

この2ステップを経て、やりたくないものを少なくするために何をするかを考え始めることができる。

会社員である私の場合、平日の生活サイクルはざっくり以下のとおり。

①起床・準備

②通勤

③労働

④帰宅

⑤自由時間(YouTube等をダラダラ眺めたり)

このうち、②④の会社への通勤については移住で満員電車等を回避することができるようになり、通勤自体の「やりたくなさ」度合いは大幅に減った。

残りの①③⑤の自分にとっての位置付けは、

①③:やりたくないこと

⑤:やりたくないわけではないが、やりたいことでもない

「やりたくないことをやらない選択をして生き抜く」という生存戦略では、①③、つまり会社で働くこと自体を見直していくことが優先的に取り組むこと。

その一番分かりやすい手段がFIREであり、だから自分がすべきことは、

 ・ 株式投資(インデックス投資など)を活用する

 ・資産を増やし、労働収入に頼らなくても生きていける状態を作る

 ・配当金や不労所得を増やす

 ・支出管理をして生活コストを下げる

とはいえ、明日明後日とすぐにFIREができる状況にないのも現実。

次善策として、現在の労働環境下で少しでも快適に過ごす方法も、選択肢になる。

 ・最低限の収入だけ確保しつつ、自由な時間を増やす

 ・副業や個人でできる仕事を選び、ストレスを減らす

 ・人間関係の負担が少ない働き方を選ぶ

 ・働く環境を帰るまでせずとも、自分の捉え方を変える。そのために読書をしたりする

このように、やりたいことがない自分を嘆いたり、ないものを無理に探すよりも、「やりたくないことはやらない」と絞った方が迷いがなくなり、結果、自分が何をしたら生活満足度が上がるのか、が見えてくる。

<まとめ>やりたくないことを減らすことで人生を切り拓く

やりたいことがなくても、「やりたくないことをやらずに済む人生」を目指す方ことで人生の満足度を上げていくことができる。

私は、田舎への移住を通じて、「やりたいことがない」と悩む必要がないと気づくことができた。

だけど、移住後も、「やりたくないこと」はまだまだある。

それは、人生の満足度を上げるために自分がすべきことがあって、自分の時間をその行動を起こすために使いたい、ということ。

そうしたやりたくないことから逃れるための手段としてFIREは有効だけど、それは手段の一つに過ぎない。

FIREのような、実現に相応の時間を要すること以外にも、自分の考え方を変えるなど、今からでも起こすことができる行動は、存在する。

「やりたくないことがない」からといって、何もすることがないわけじゃない。人生の満足度を上げるために取り得る選択肢はいくつもある。

そう気づくことは、今の生活が息苦しい人への助けになるはず。

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