居酒屋に行くと決まり文句として「とりあえず中ジョッキ」と何も考えずに注文してしまう。
だけど、ビールの価値を最小のコストで最大限に味わうならば、小ジョッキのビールで十分なのではないかと思った。
これを単なるケチだと片付けてしまえばそれまでだが「満足のピーク」を見極めた支出改善の一例だと捉えれば、応用が効く。
今回は、ビールを例として「満足のピークを見極めた支出改善」の考え方について掘り下げてみたい。
ビールの満足のピークが一口目なら、小ジョッキで十分
私は特にお酒を飲むのが好きでも嫌いでもないタイプ。
会社の飲み会は参加したくないが、仕事が終わった金曜日の夜に一人で外食にビール、というのがささやかな楽しみの一つではある。
そういう時に飲むビール、最初の一口は最高に美味い。
だけど、二口目、三口目と飲み進めるうちに、最初の感動はどんどん薄れていって、飲み終わる頃には、ジョッキに少量残ったビールを喉に通すだけ、というパターンになりがち。
そこで思った。
小ジョッキなら、「ビールを飲む一口目」という最も価値の高い部分を、中ジョッキよりも安価に味わうことができる。
これは、「満足のピークを見極めた消費の最適化」の一例だと気づいた。
FIREを目指すなら、「満足のピーク」を意識すべき理由
FIREを意識するようになって、「節約」を心がけるようになった。
ただ、「節約=我慢すること」となりがちで、これでは心がしんどくなっていく。
だから、FIREを目指して節約をするならば、「我慢にならない絶妙な節約ライン」を探り、単にお金を使わないのではなく、「満足度を最大化しつつ、支出を最適化する」という発想が重要になる。
これは、お金を「満足のピークを得るのに必要十分な量」だけ支出するということ。
私にとって、中ジョッキではなく小ジョッキのビールを注文することは、「少ししかビールを飲めないことを我慢する行為」ではなく「一口目の満足を得るための行為」と、発想を無理なく変えることができる、有意義な節約活動となるものだった。
「満足のピーク」を見極めて支出削減ができる余地を探す(応用)
「何となく中ジョッキ」という例の他に、日常での消費の中に「必要以上の満足」になってしまっているものがある。
• ランチで無意識にセットメニューを頼む(本当に食べたかった料理だけで十分では?)
• 映画館でLサイズのポップコーンを買う(映画を見ながらつまむという雰囲気を得たいだけでは?)
• カフェで大きなカップのコーヒーを注文する(後半は冷めてしまうのでは?)
こうした消費を「満足のピーク」に合わせて調整すれば、同じ満足感を得ながら、支出を減らすことができる。
少額の節約が全て無意味だとは思わない
FIREを目指す上で大切な節約は、もっと大きな金額の無駄の削減とはよく言われ、小さな部分にこだわっても意味は少ないと言われる。
確かにそうかもしれないけれど、特に苦労なく、満足感を減らすことなく支出が減らせるなら、それに越したことはない。
そして、こうした「苦労なく小さな支出削減ができるポイント」は、無意識に行なっている自分の行動を見直し、満足感を得られるポイントを意識的に探し出すことさえできれば、無理なく取り組める。
「とりあえず中ジョッキ」と「当たり前」とされていることを疑い、ビールに求める満足ポイントを探すこと。
「とりあえず〇〇」ではなく、「自分の満足のピークに合わせて最適な選択をする」。
小さなことでも受動的にならず、能動的に考える。
それは、最小のコストで満足度の高い消費ができるようになる第一歩。
まとめ
ただ漫然と「お金を使わない」のではなく、「価値のあるものに最適な金額のお金を使う」ということに意識を向けることが、FIREに向けて大切。
そのためには、以下のような「支出の習慣」を意識してみることが有効だと考える。
1. 「満足のピーク」を意識してみる
→ 飲食、娯楽、買い物などで、「本当に必要な量」を見極める癖をつける。
2. 「とりあえず」ではなく「最適な選択」をする
→ 習慣や惰性でお金を使わず、意識的に選ぶ習慣をつける。
3. 「浪費ではなく投資」と考える
→ 満足度を最大化する消費方法を身につけることは、自己投資である。
小ジョッキのビールを選ぶ習慣は、金額的にはFIREを目指す上で小さ過ぎる一歩ではある。
だけど、自分にとって苦ではないのであれば、やらない理由はない。
小ジョッキのビールを最大限に楽しむ。
それでいい。
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